たちどこ)” の例文
さしも遣る方無くかなしめりし貫一は、その悲をたちどころに抜くべきすべを今覚れり。看々みるみる涙のほほかわけるあたりに、あやしあがれる気有きありて青く耀かがやきぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
前なる者馬を引き走り避けて後なる者射る、虎回れば後なる者またしかす、虎多しといえどもたちどころに尽すべしとは、虎を相手に鬼事おにごとするようで余りに容易な言いようだが