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たちばなし
ふりがな文庫
“
立談
(
たちばなし
)” の例文
偶然銀座通で
邂逅
(
かいこう
)
した際には、わたくしは意外の地で意外な人を見たような気がした為、其夜は
立談
(
たちばなし
)
をしたまま別れたくらいであった。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そこで二人がみんなの邪魔にならないような小声の
立談
(
たちばなし
)
を、二言三言取り換わした後で、百合子は約束通り男に送られてすぐ場外へ出た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
門前の
溝
(
どぶ
)
が空溝であることを知っている彼は、
狗
(
いぬ
)
のように腹這いながらそっとその溝へもぐり込んで、駒寄せの石のかげに顔をかくして、二人の
立談
(
たちばなし
)
に耳を引き立てていた。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
近処の犬だの、
箱屋
(
はこや
)
だの、出前持だの、芸者などが、絶え間なく
通過
(
とおりすぎ
)
るので、二人は
立談
(
たちばなし
)
もそこそこに右と左へわかれた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それが先刻大通りの角で、小林と
立談
(
たちばなし
)
をしていた長髪の青年であるという事に気のついた時、津田はさらに驚ろかされた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
三四郎は講義の
隙
(
すき
)
をみて、また理科大学の穴倉へ降りていった。そこで
立談
(
たちばなし
)
のあいだに事を済ませようと思ったところが、そううまくはいかなかった。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
楽屋口には出入する人たちがいつも
立談
(
たちばなし
)
をしていた。
草紅葉
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
叔母の云った通り、吉川夫婦は自分達より一足早く約束の場所へ来たものと見えて、お延の
目標
(
まと
)
にするその夫人は、入口の方を向いて叔父と
立談
(
たちばなし
)
をしていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分は長蔵さんと
赤毛布
(
あかげっと
)
の
立談
(
たちばなし
)
を聞きながら、自分は長蔵さんから
毫
(
ごう
)
も人格を認められていなかったと云う事を見出した。——もっとも人格はこの際少しおかしい。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御母
(
おつか
)
さんから
頼
(
たの
)
まれものがあるから、
一寸
(
ちよつと
)
来
(
き
)
て呉れろとある。三四郎は講義の
隙
(
すき
)
を見て、又理科大学の穴倉へ
降
(
お
)
りて
行
(
い
)
つた。
其所
(
そこ
)
で
立談
(
たちばなし
)
の間に事を済ませやうと思つた所が、
左
(
さ
)
う
旨
(
うま
)
くは
行
(
い
)
かなかつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
談
常用漢字
小3
部首:⾔
15画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立出
立竦
立籠
立塞