ちひさ)” の例文
ちひさい時から極く穩しい性質で、人にさからふといふ事が一度もなく、口惜しい時には物蔭に隱れて泣くぐらゐなもの、年頃になつてからは、村で一番老人達の氣に入つてるのが此お定で
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
此奴が仕末におへねえあまで、ちひさい頃から、親も兄弟もなく、野原で育つた、丸でけだものといくらも変らねえと云ふ話で、何でも重右衛門(嫌疑者の名)が飯綱原いひつなはらで始めて春情いゝことを教へたとかいふんで
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
わつぱ猿眼さるまなこちひさいのをると苦笑にがわらひをして
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お前は一番ちひさいのだからと言つて慰めて呉れた。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)