石積こくづみ)” の例文
手が、砂地に引上ひきあげてある難破船の、わずかにその形をとどめて居る、三十石積こくづみと見覚えのある、そのふなばたにかかって、五寸釘をヒヤヒヤとつかんで、また身震みぶるいをした。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四条から五条のかわらに三十石積こくづみ、五十石積と云うように積んで、それを片っ端からころがした。
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この疲曳よぼよぼ盲者めくらたれとかす! 若い時には銭屋五兵衛ぜにやごへえかかえで、年中千五百石積こくづみを家として、荒海を漕廻こぎまわしていた曲者くせものなのだ。新潟から直江津ね、佐渡あたり持場もちばであッたそうだ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)