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矢声
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やごえ
ふりがな文庫
“
矢声
(
やごえ
)” の例文
旧字:
矢聲
人には遠く離れた広間の真中に、しんとして寝ているような心持である。表の通りでは砂利をかんで勢いよく駈ける
人車
(
じんしゃ
)
の
矢声
(
やごえ
)
も聞える。
枯菊の影
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
と
矢声
(
やごえ
)
を懸けて、
潮
(
しお
)
を射て
駈
(
か
)
けるがごとく、水の声が聞きなさるる。と見ると、竜宮の
松火
(
たいまつ
)
を
灯
(
とも
)
したように、彼の
身体
(
からだ
)
がどんよりと光を放った。
海の使者
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かれは
矢声
(
やごえ
)
をはなって輪を投げた、輪はくるくると
旋回
(
せんかい
)
して棒の頭にはまらんとしてかすかにさすったまま地上に落ちた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
わッと言う
矢声
(
やごえ
)
もろ共、
犇
(
ひし
)
めきわめきながら殺到すると、押しのけはねのけ、揉み合いへし合いながら、われ先にと小判の道へ
雪崩
(
なだ
)
れかかりました。
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
二葉亭の文学というは満身に
力瘤
(
ちからこぶ
)
を入れて
大上段
(
おおじょうだん
)
に振りかぶる真剣勝負であって、
矢声
(
やごえ
)
ばかりを
壮
(
さか
)
んにする
小手先
(
こてさき
)
剣術の見せ物試合でなかったから
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
山尾と右門はそれを聞くと、さては
由緒
(
よし
)
ある
武士
(
もののふ
)
の
隠遁所
(
かくれずまい
)
ででもあるのだろうと、忽ち、勇気を振り起こし、灯火を目差して進む時、鋭い
矢声
(
やごえ
)
発止
(
はっし
)
と掛かり、ひょうと飛び来る白羽の矢。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ここに、最後の
勝敗
(
しょうはい
)
をけっする、
騎馬
(
きば
)
徒歩
(
かち
)
、
遠駆
(
とおが
)
けの
試合
(
しあい
)
の
矢声
(
やごえ
)
はかけられた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「や、」と倒れながら、激しい
矢声
(
やごえ
)
を、掛けるが響くと、宙で
撓
(
た
)
めて、とんぼを切って、ひらりと
翻
(
かえ
)
った。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
矢
常用漢字
小2
部首:⽮
5画
声
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
“矢声”で始まる語句
矢声掛声