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ちら
ふりがな文庫
“
瞥
(
ちら
)” の例文
処が彼が
瞥
(
ちら
)
と何気なしに其巡査の顔を見ると、巡査が真直ぐに彼の顔に鋭い視線を向けて、厭に横柄なのそり/\した歩き振りでやって来てるので
子をつれて
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
忽ち足をばた/\させて蒲團を蹴とばした芳ちやんは眞つ白な兩方の股を弓のやうに踏張つた。と、つ…………………みたいなものが
瞥
(
ちら
)
と圭一郎の眼に這入つた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「ま、
何處
(
どこ
)
まで
根性
(
こんじやう
)
がねぢくれてゐるのでせう。」と思ひながら、近子は
瞥
(
ちら
)
と白い眼を
閃
(
ひらめ
)
かせ、ブイと茶の間の方へ行ツて
了
(
しま
)
ツた。
遂々
(
とう/\
)
むかツ
腹
(
ぱら
)
を立てゝ
了
(
しま
)
ツたので。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
満枝は如何なる人かと
瞥
(
ちら
)
と見るに、
白髪交
(
しらがまじ
)
りの
髯
(
ひげ
)
は長く胸の
辺
(
あたり
)
に垂れて、篤実の
面貌痩
(
おもざしや
)
せたれども
賤
(
いやし
)
からず、
長
(
たけ
)
は高しとにあらねど、
素
(
もと
)
より
膄
(
ゆたか
)
にもあらざりし肉の
自
(
おのづか
)
ら
齢
(
よはひ
)
の
衰
(
おとろへ
)
に削れたれば
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
瞥
(
ちら
)
と見たばかりでは何の車とも分らなかった。何でも可なり大きな
箱車
(
はこぐるま
)
で、上から
菰
(
こも
)
を
被
(
かぶ
)
せてあったようだったが、其を若い土方風の
草鞋穿
(
わらじばき
)
の男が、余り重そうにもなく、
匇々
(
さっさ
)
と引いて来る。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
處が彼が
瞥
(
ちら
)
と何氣なしに其巡査の顏を見ると、巡査が眞直ぐに彼の顏に鋭い視線を向けて、厭に横柄なのそり/\した歩き振りでやつて來てるので
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
瞥
漢検準1級
部首:⽬
17画
“瞥”を含む語句
瞥見
一瞥
流瞥
一瞥驚倒
冷眼一瞥
冷瞥
壮瞥
徳舜瞥
瞥見致候
瞥視