真意しんい)” の例文
旧字:眞意
金山寺屋音松は、忠相の真意しんいさとり、人間忠相に触れたような気がして、もし相手がお奉行様でなければ、音松は起って行って
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と機会を重ねるごとに、信頼を持って来たが、でも復讐の真意しんいを打ち明けるような事は決してなかった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「検事さん。今日の集りの真意しんいはどこにあるのですかなア」と先刻さっきから聞きたかったことをたずねた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一見他に意味いみなきがごとくなれども、ロセツの真意しんいは政府が造船所ぞうせんじょ経営けいえいくわだてしその費用の出処しゅっしょに苦しみつつある内情を洞見どうけんし、かくして日本政府に一種の財源ざいげんあたうるときは
いわば弥生は、兼光一団の申し出を利用しているまでのことなのだが、はたして豆太郎、よく弥生の真意しんいを汲んで、その望むがごとく立ちまわるであろうか?
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
これは老先生の激励げきれいであろう。いまが大事なときであるぞと、凡夫ぼんぷのわれわれを鼓舞こぶしてくださる垂訓すいくんなのであろう。すなわち、予言のうらにふくむ真意しんいをくめば
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大尉どのの真意しんいは何処にある? こいつは面白い問題だ——と、イヤにむきになって喰ってかかるような口を利くのも、実はこうしないと、これからの僕の下手な話が
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)