真平まつぴら)” の例文
旧字:眞平
ああ云ふ仙人にはすぐになれさうだ。しかしどうせなる位なら、俗な仙人にはなりたくない。横文字の読める若隠居なぞは、猶更なほさらおれは真平まつぴら御免ごめんだ。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
『今井さんも今井さんだ。』と、目賀田は不味まづい顔をして言ひ出した。『俺のやうな老人としよりは死ぬ話は真平まつぴらだ。』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「いや、真平まつぴらだ」と云つてあに苦笑にがわらひをした。さうして大きなはらにぶらがつてゐる金鎖きんぐさりゆびさきいぢくつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかし、あゝいふ状態では、真面目まじめにこつちの気持を打ち明ける気になりません。僕は、遊戯は真平まつぴらです。
ママ先生とその夫 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
お才も嫣然にこり歯を見せつ「だがネ、彼妓あのこの剛情にも因つて仕舞しまふのねエ、口の酸つぱくなる程言つて聞かせるに、松島さんの妾など真平まつぴら御免テ逃げツちまふんだもの」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
御無礼の段は何分真平まつぴら……。
「いや、真平まつぴらだ。」
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「もう真平まつぴらだ。」
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
父は、まあ、そう急ぐなと言い、たゞなにかしたいというだけなら、自分の関係している製粉会社へ入れてもよいのだからと水を向けるのだが、彼は、それだけは真平まつぴらであつた。
光は影を (新字新仮名) / 岸田国士(著)
何卒どうぞ芳子にはモウ学問など真平まつぴら御免ですよ、チヨツ、親を馬鹿にして
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
向うでいゝと思つても、こちらで真平まつぴらといふのがあつたりして……。
百三十二番地の貸家 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
妻 男の友人なんか真平まつぴらです。
世帯休業 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)