目懸めがけ)” の例文
爰に於て彼方此方、新劇詩家の手綱を控へて、宇治川を目懸めがける者ありとの報知しきりなり。吾人は劇詩の流行当に来るべしとは断ずる能はず。
劇詩の前途如何 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
つぶし先生の大力實に天下てんか無双ぶさうならんと見て居たるに後藤はコレ彌助先刻さつきの代りに鳥渡ちよつと一本こゝろみようかと振上ふりあげければ彌助は大いに仰天ぎやうてんなし御免なされと云より早くおく目懸めがけ迯行にげゆきけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はれ、此方こなた目懸めがけけて
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お政も今は一生懸命邪魔じやまし給ふなと云ながら用意の九寸五分をきらりと引拔ひきぬき家主いへぬし目懸めがけきかゝるに吉兵衞は大いに驚きヤア人殺ひとごろし/\とあとをも見ずに逃出せばお政はこゝぞと混雜紛こんざつまぎれに込合こみあふひと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)