トップ
>
盤石
>
ばんじゃく
ふりがな文庫
“
盤石
(
ばんじゃく
)” の例文
家をまもる陰鬱な虫の
盲目
(
もうもく
)
の希いが、天皇は自分であるということを、てんから不動
盤石
(
ばんじゃく
)
に、疑らせもしなかったのだ、と。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
盤石
(
ばんじゃく
)
のごとく動かない魏軍に対して、孔明がここにやや
焦躁
(
しょうそう
)
の気に駆られていたことは否めない事実であったろう。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
戈鋋剣戟
(
くわえんけんげき
)
を降らすこと電光の如くなり、
盤石
(
ばんじゃく
)
岩をとばすこと春の雨に相同じ、然りとはいへども天帝の身には近づかで、
修羅
(
しゅら
)
かれがために破らると……」
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼は
愕
(
おどろ
)
いて砂の中から立ち上ろうとしたが、女は
盤石
(
ばんじゃく
)
のように上から押しつけていて、帆村の自由にならない。その上、女の指は頸をギュウギュウしめつけてくる。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
三造は重い
廂
(
ひさし
)
の下に入って、背に
盤石
(
ばんじゃく
)
を負いながら、やっと
婦
(
おんな
)
の肩際に
蹲
(
しゃが
)
んだのである。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
それは普通第一石とは遠く離れた碁盤の他の隅に置かれようとも
遥
(
はるか
)
に第一石を
睨
(
にら
)
まえ、我われ凡手には考察しきれぬ複雑な戦略的理由によって
盤石
(
ばんじゃく
)
のごとく動かしがたく据えられるのである。
独り碁
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
正義、法律、お金で買えます。良心、貞操、むろんの事だよ。自由民権手段を撰ばず。掴んで離さぬ
熊鷹
(
くまたか
)
根性の。億万長者の一流どころが。国の利益は自分の利益と。
盤石
(
ばんじゃく
)
動かぬ
算盤
(
そろばん
)
ずくめで。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
見えるはずはないのに、天井の上を真黒な天が
盤石
(
ばんじゃく
)
の重さで押しつけているのが、はっきり判る。いよいよ天井が近づき、堪え難い重みが胸を圧した時、ふと横を見ると、一人の男が立っている。
牛人
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
卓の下から、手足をもがき出しながら、彼が
罵
(
ののし
)
り騒いでいると、その声に
吃驚
(
びっくり
)
して、裏口と表から、二人が駈けこんで、
盤石
(
ばんじゃく
)
のような大卓を持ち上げた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
絶望の叫びで土方は島田のために太刀を打ち落されてたじろぐところを、犬の子を
転
(
ころ
)
がすように引き倒され、起き上ろうとした時は、島田の膝は背の上にさながら
盤石
(
ばんじゃく
)
を置いたようです。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
盤石
(
ばんじゃく
)
巌
(
いわお
)
を飛ばすこと春の雨に相同じ。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新九郎は南無三と、
渾力
(
こんりき
)
をこめて振りほどこうとしたが、小六の力は
盤石
(
ばんじゃく
)
の如く彼に動きも取らせなかった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
堀部、奥田、不破、原などの方々へも、今の
盤石
(
ばんじゃく
)
のような御忍苦を
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“盤石”の意味
《名詞》
盤石(ばんじゃく、ばんせき)
大きな岩石。
非常に堅固で安定していること。
(出典:Wiktionary)
盤
常用漢字
中学
部首:⽫
15画
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
“盤石”で始まる語句
盤石座