盗賊ぬすびと)” の例文
旧字:盜賊
そのたんびに首を縮めて盗賊ぬすびとと、詐欺と、非人の気持を繰返し繰返し、アチラで一文コッチで三文とクスネ込み溜め込むようになります。
なんだって、おまえへい乗越のりこえてて、盗賊ぬすびとのように、わたしのラプンツェルをってくのだ? そんなことをすれば、いことはいぞ。」
近ごろ君、経済書の売行がいさうだが、何の事は無い、盗賊ぬすびとを見て縄をふやうなもんだ。戦争以来実業が勃興したといふのが間違つてる。
青年実業家 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
二人の盗賊ぬすびとと相並んで死に就くまでの悲壮を尽した詩——『耶蘇イエスまた大声によばはりて息絶たり。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その場合には矢張やはり一般の盗賊ぬすびとの如くに、なるべく白昼ひるを避けて夜陰に忍び込み、鶏や米や魚や手当り次第にさらって行く。素捷すばやいことは所謂いわゆるましらの如くで、容易にその影を捕捉することはできぬ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)