-
トップ
>
-
皈
>
-
かへる
地気天に
上騰形を
為て雨○雪○
霰○
霙○
雹となれども、
温気をうくれば水となる。水は地の
全体なれば
元の地に
皈なり。
不可也二人とまりなば
両親案給はん、われは
皈べしなど、はなしの
間児の
啼に
乳房くゝませつゝうちつれて道をいそぎ
美佐嶋といふ原中に
到し時
愕然して
胷も
裂るやう也しが
逃に道なく、とても命の
期なり
死も
生も神仏にまかすべしと
覚悟をきはめ、いかに熊どの
我は
薪とりに来り谷へ
落たるもの也、
皈には道がなく
生て
居には
喰物がなし