白楊はくやう)” の例文
仏蘭西フランスの野は大体に霜がすくないから草が何処どこにも青んで居る。白楊はくやうやマロニエの冬木立こだちに交つて芽立めだちの用意に梢の赤ばんで居る木もあつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
白樺、白楊はくやう、楡、山楂子さんざしかしなどの木が、やつと芽を吹いたばかりである。楡の木の背後うしろには黒樺の花が満開してゐる。ルスチニア鳥がき側で一羽啼いてゐる。
「落ちる時にひつかかつたのでせう。白楊はくやうの枝にぶら下つてゐました。」
山鴫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
白楊はくやうのしどろもどろののかげに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
白楊はくやう毛欅ぶなの森の奥に。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
白楊はくやうそびやく並木
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
白いレエスの掛つた窓を開けると、何時いつ何処どこにあるのか知らないが白楊はくやうの花の綿わたが飛んで来る六月十日
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
日はさしぬ、白楊はくやうこずゑに赤く
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
白楊はくやうがさわさわと
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
白楊はくやう
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
吹く風も無いのに白楊はくやうの花が数知らず綿わたの様に何処どこからか降つて来るのも長閑のどかであつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
白楊はくやうきしにそひ曇りばめる
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こゑもなき国の白楊はくやう
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)