白光しろびか)” の例文
ひがしそらのききょうのはなびらはもういつかしぼんだようにちからなくなり、あさ白光しろびかりがあらわれはじめました。ほしが一つずつきえてゆきます。
いちょうの実 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
時間じかんいくかいとなく、貨車かしゃや、客車きゃくしゃ往復おうふくするために、ねつはっし、はげしく震動しんどうする線路せんろでも、ある時間じかんは、きわめてしんとして、つめたく白光しろびかりのする鋼鉄こうてつおもて
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
えかえる初春の空に白光しろびかりする羽たゝきして雲雀が鳴いて居る。春の驩喜よろこびは聞く人の心にいて来る。雲雀は麦の伶人れいじんである。雲雀の歌から武蔵野の春は立つのだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
この、いはんや民の骨をくだける白米、人の血を絞れるごとき古酒、といふ言葉は白米おこめが玉のやうに、白光しろびかりに光つて見える。民の骨を碎ける白米しらよね、民の骨を碎ける白米しらよね! げに有難い言葉ではないか。