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疵物
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きずもの
ふりがな文庫
“
疵物
(
きずもの
)” の例文
皿茶碗の
疵物
(
きずもの
)
ならば、
疵
(
きず
)
のわかり次第棄てても
仕舞
(
しま
)
おうが、生きた人間の病気は、そのようなものと同列には考えられぬ。袖振り合うも
他生
(
たしょう
)
の縁とやら。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
拔かれて
疵物
(
きずもの
)
になつて居るから、庄司の主人にも弱身があるから、オイそれとはあの歡喜天をお目にかけられない
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それは高い。なかのつまった花瓶なんて、やっぱり
疵物
(
きずもの
)
も同様ですから、その半分ぐらいでなくちゃ……」
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
日本にては杖は下駄同様に取上げらるるが故銀細工
象牙
(
ぞうげ
)
細工なぞしたるものは
忽
(
たちまち
)
疵物
(
きずもの
)
になさるる
虞
(
おそれ
)
あり。
洋服論
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
お母さんは
余所
(
よそ
)
の娘さんを預かっていて
疵物
(
きずもの
)
にしては申訳がないと思ったから、一緒に山口さんへ出掛けた。山口さんはかかりつけの歯医者で、頗る
剽軽
(
ひょうきん
)
な人だ。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
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立派な山を
疵物
(
きずもの
)
にして、車を仕掛けなければならない理由が七兵衛には少しもわかりませんから、コイツ山師共が、何かの口実で、木を伐って
金儲
(
かねもう
)
けをするのだなと思い込んでしまいました。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
だから
疵物
(
きずもの
)
でもずん/\片づいて行く。尤も疵物は大抵貧しい者にやられる。潔癖は贅沢だ。貧しい者は、其様な
素生調
(
すじょうしらべ
)
に頓着しては居られぬ。金の二三十両もつければ、
懐胎
(
かいたい
)
の女でももらう。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
疵物
(
きずもの
)
であって、廃物だと答えるまでだ。
古器観道楽
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
預かって、
疵物
(
きずもの
)
にして返した上、押掛け婿などに行かれては、植幸の面目が立たないだろうじゃないか
銭形平次捕物控:026 綾吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と河合君は言い
悪
(
にく
)
そうに切り出した。僕はハッと思った。余りスル/\ッと簡単に定ったから、澄子さんは美貌にもかゝわらず、
疵物
(
きずもの
)
で、何か身体に故障があるのかと疑ったのである。
合縁奇縁
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「ところが、さう言ふわけに行かないといふのは、可哀想にお豊は
疵物
(
きずもの
)
なんださうですよ」
銭形平次捕物控:249 富士見の塔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「病癖があるんですから、一種の
疵物
(
きずもの
)
です。僕もこれまでの縁と思って諦めます」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
疵
漢検1級
部首:⽧
10画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“疵”で始まる語句
疵
疵口
疵痕
疵所
疵瑕
疵付
疵等
疵病
疵傷
疵処