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畜
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かれ
豊雄夢のさめたるここちに、
二九八礼言尽きずして帰り来る。金忠にむかひて、此の年月
畜に
魅はされしは、
己が心の正しからぬなりし。
「
畜をやすくすかしよせて、これをもて
頭に
打被け、力を出して押しふせ給え、
手弱くあらばおそらくは逃去らん」と云った。
法師も
即て
詣でなんとて、
三七七芥子の
香にしみたる
袈裟とり出でて、庄司にあたへ、
畜を
三七八やすくすかしよせて、これをもて
頭に打ち
帔け、力を出して押しふせ給へ。
翁これを納めて、
二九三祝部らにわかちあたへ、
自は一
疋一
屯をもとどめずして、豊雄にむかひ、
二九四畜你が
秀麗に
姧けて
二九五你を
纏ふ。你又
畜が
仮の
化に
魅はされて
二九六丈夫心なし。