由旬ゆじゅん)” の例文
須弥山しゅみせん上なお幾万由旬ゆじゅんの高き所に一大都城を開き、理想その帝王となり、物心の二大臣をこの世界にくだし、千万無量の諸象を支配せしむ。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
捨身菩薩がもとの鳥の形に身をなして、空をお飛びになるときは、一揚というて、一はゞたきに、六千由旬ゆじゅんを行きなさる。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
身長八十万億那由他なゆた由旬ゆじゅん、……その円光の中に五百の化仏けぶつあり、一々の化仏に五百の化菩薩あり、無量の諸天を侍者とす、……また八万四千種の光明を
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
五足六足往くと、たなの上に鉄の梁があった。そのまわりは数尺であったが、それには一つの大きな輪を繋いであった。その大きさは幾百由旬ゆじゅんということが解らなかった。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
竜が住む城の名は戯楽けらく、縦横三千由旬ゆじゅん、竜王中に満つ、二種の竜王あり、一は法行といい世界を護る、二は非法行で世間をやぶる、その城中なる法行王の住所は熱砂らず
捨身しゃしん菩薩がもとの鳥の形に身をなして、空をお飛びになるときは、一揚いちようというて、一はばたきに、六千由旬ゆじゅんを行きなさる。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
業報尽きおわってこの地の答波樹林に還り、著翅狸身とって身広五十由旬ゆじゅん、両翅各広さ五十由旬、その身量百五十由旬あり、この大身を以て空行水陸衆生を殺し、免るるを得る者なく
一瞬いっしゅん由旬ゆじゅんを飛んでいるぞ。けれども見ろ、少しもうごいていない。少しも動かずにうつらずに変らずにたしかに一瞬百由旬ずつ翔けている。実にうまい。)
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
『部多大教王経』には、真言で部多ヴェーターラ女を招き妹となし、千由旬ゆじゅん内に所要の女人を即刻取り来らしむる法あり。『大宝広博秘密陀羅尼経』には、随心陀羅尼を五万遍誦せば、婇女王后を鈎召し得とあり。