瑞気ずいき)” の例文
せっかく、戦勝の瑞気ずいきにわいている今日、道誉のごとき二タ股者、いや三ツ股者の降参をゆるすなどの過誤をおかしてはと
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
利生りしょう相見あいみえ豊年なれば、愈〻いよいよその瑞気ずいきを慕ひて懈怠けたい無く祭りきたり候。いま村にて世持役よもちやくと申す役名も、是になぞらへて祈り申す由に候。但し此時このとき由来伝へはなし有之これあり候也(以上)
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
けれどこの一城市に靉靆あいたいとたなびいている瑞気ずいきというようなものを、石川数正は見のがせなかった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何よりもまた禁裡きんり瑞気ずいきや堂上たちのよろこびが民心にうつった。その民衆は口をあわせていう。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そういえば近頃、成都の西北の天に、毎夜のごとく、瑞気ずいきある光芒こうぼうが立ち昇っている」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
行くほどに、登るほどに、道はいよいよせばみ、水はたにをなし滝をなし、木々には瑞気ずいきの霧がゆるやかに渦巻いて、みねのあらし、禽の声、耳も心も洗われて、陳震は自分の使命も忘れてしまった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平和の歌声はどよめいて、ほこりも瑞気ずいきの虹に見えてくる。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中に瑞気ずいきあり、鄆城うんじょうの一人
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)