トップ
>
琴瑟
>
きんしつ
ふりがな文庫
“
琴瑟
(
きんしつ
)” の例文
前年木下(友三郎)博士予の宅に来りこの
琴瑟
(
きんしつ
)
和調の体を羨み鎌田に語ると、大分参って居ると見えるといったと『伏虎会雑誌』に出た由。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
よく干したものを削って耳掻きに一杯飲むと、身体自ら熱温を生じ性気昂進して、
琴瑟
(
きんしつ
)
相和するところの奇薬であるという。
海豚と河豚
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
金田君には御目に懸った事はないが、まずあの細君を
恭
(
うやうや
)
しくおっ立てて、
琴瑟
(
きんしつ
)
調和しているところを見ると非凡の人間と見立てて
差支
(
さしつか
)
えあるまい。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのうちに、兄夫婦の間に可愛らしい子供ができて、
琴瑟
(
きんしつ
)
いよいよ相和すというありさまだった。
えぞおばけ列伝
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
相当って居り、
琴瑟
(
きんしつ
)
こまやかに相和して人も
羨
(
うらや
)
む中であったろうことは思いやられるのである。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
通し
駕籠
(
かご
)
で江戸まできて、生涯に一度、また通し駕籠で郷里を訪れただけの祖母との新
世帯
(
しょたい
)
は、それでも
琴瑟
(
きんしつ
)
相和したものと見えて、長吉のしめている帯は、祖父が仕立て
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
抽斎の六女
水木
(
みき
)
はこの年馬役
村田小吉
(
むらたこきち
)
の子
広太郎
(
ひろたろう
)
に嫁した。時に年十八であった。既にして矢島周禎が
琴瑟
(
きんしつ
)
調わざることを五百に告げた。五百はやむをえずして水木を取り戻した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
読書
木魚
(
もくぎょ
)
琴瑟
(
きんしつ
)
等ノ声
最
(
もっとも
)
然リトナス。鳩ノ雨ヲ林中ニ
喚
(
よ
)
ビ、雁ノ霜ヲ月辺ニ警シメ、
棊声
(
きせい
)
ノ竹ヲ隔テ、雪声ノ窓ヲ隔ツ。皆愛スベキナリ。山行伐木ノ声、渓行水車ノ声
並
(
とも
)
ニ遠ク聴クベシ。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
宗矩と
琴瑟
(
きんしつ
)
が和しているかいないかも分らないほど奥まった所に生活しているが——まだ若いし、そうした深窓にいる女性だけに——良人の身辺にお通のような女性が現われたことは、決して
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なる程。そんな事で、とにかく
琴瑟
(
きんしつ
)
相和
(
あいわ
)
していた訳ですな」
復讐
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
勿論
琴瑟
(
きんしつ
)
相和した。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
して見ると寒月君の代りにこの泥棒を差し出しても必ず満身の愛を捧げて
琴瑟
(
きんしつ
)
調和の実を挙げらるるに相違ない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
相性というか、
琴瑟
(
きんしつ
)
相和してという文字どおり仲がよい。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“琴瑟”の意味
《名詞》
弦楽器の琴と瑟。
(出典:Wiktionary)
琴
常用漢字
中学
部首:⽟
12画
瑟
漢検1級
部首:⽟
13画
“琴瑟”で始まる語句
琴瑟相和
琴瑟合奏