狡獪かうくわい)” の例文
それでも狡獪かうくわいすゞめためもみのまだかたまらないであま液汁しるごと状態じやうたいをなしてうちからちひさなくちばしんでしたゝかに籾殼もみがらこぼされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼の文中には屡々「妻女にのろき」、「眼を皿にして」など言へる洒落たる文字あれども、しかも是れ彼が正直にして多感的なるをおほはんとする狡獪かうくわい手段なるのみ。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
淫鄙な権妻ごんさい狡獪かうくわい髪結かみゆひ等いづれも生々いきいきとした新しい興味を以て写し出されてゐる。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)