物覚ものおぼ)” の例文
旧字:物覺
しろいくまは、物覚ものおぼえのいいほうではなかったけれど、後足あとあしがることや、ダンスのまねなどをするようになりました。
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうだ、物覚ものおぼえがいいね、君は。しかしその城塞が、ドイツ軍の爆撃にって、三分の二ぐらいは崩れてしまっていることを知っているかね」
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それはずっとあとで知ったことであるが、ミリガン夫人ふじん実際じっさいこのむすこの物覚ものおぼえの悪いこと、もっと正しく言えばなにも物を覚えないことを知って、ふさぎきっていた。
あるところに、よく生徒せいとをしかる教師きょうしがありました。また、ひじょうに物覚ものおぼえのわる生徒せいとがありました。教師きょうしはその子供こどもをたいへんにくみました。
教師と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれどわたしは理解りかいこそ早かったが、物覚ものおぼえは、犬のほうがよかった。犬は一度物を教わると、いつもそれを覚えてわすれることがなかった。わたしがまちがうと親方はこう言うのである。
ああ、たくさんみずんでおくれ。それにしてもわたしは、どうして物覚ものおぼえがわるいのだろう。わたしからると、おまえはどんなにりこうだかしれない。
教師と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その物覚ものおぼえのわる子供こどもに、かなだらいにみずれてそれをたせてそとたせることにしました。
教師と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)