無間地獄むげんじごく)” の例文
じゃによって一つは三宝の霊験れいげんを示さんため、一つはその方の魔縁にかれて、無間地獄むげんじごくに堕ちようず衆生しゅじょうを救うてとらさんため、老衲ろうのう自らその方と法験ほうげんを較べにまかいでた。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「むろん無間地獄むげんじごくだわ。空々しゅう酒の害など説くくせに、酒ほどよい物はないともいう」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
禁断きんだんそのに忍び入ったる罪は、今、さばかれようとしているのだ。僕はもう観念した。たとえ針の山であろうと無間地獄むげんじごくであろうと、追いやられるところへ素直すなおに行くしかないのだ。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すべて僧侶というものは清浄しょうじょうであって世の福田ふくでんとなるべきものであるということを説きまして、もしも不清浄な事を行って間違いが起ったならば不浄行を行えば無間地獄むげんじごくへ落ちるのは当り前の事だ
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
有王 無間地獄むげんじごくの苛責とても今のあなたの苦しみにまさりはいたしますまい。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
世俗に反り、冠などして、無間地獄むげんじごくに陥る業を造りたまうぞ、誠に悲しき違乱のことなり、強いてることせんとならば、ただここにある寂心を殺したまえ、と云いて泣くことおびただしいので
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
つまあるひとのかきの、あだし妻花つまばな寝盗ねぬすむのとが、その罪業ざいごうあくえ、無間地獄むげんじごくの火坑に落ちんもよし。何かは、この想いの苦しみにまさるべきかは。——盛遠は、夢に、うなされぬくのである。
俊寛 わしを無間地獄むげんじごくに落とすのか。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
無間地獄むげんじごく
大脳手術 (新字新仮名) / 海野十三(著)