無神経むしんけい)” の例文
そういって芳輔よしすけは立ちかける。なにごとにも思いきったことのできない糟谷かすやも、あまりに無神経むしんけい芳輔よしすけのものいいにかっとのぼせてしまった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
下女げじょは、無神経むしんけいに、くずかごをそとおおきなごみばこのところへっていって、すっかりそのはこなかててしまいました。
風の寒い世の中へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
にべもなく、ひッたくって槍をおきかえたかれは、あいかわらず、無神経むしんけいにすましこんでいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、あたまをもたげてのまわりをながめると、あちらのたかつよそうなくさは、無神経むしんけいに、いつもとわらず平気へいきかおつきをしているのでありました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「だめだ。だめだ。かわぶちなんかいけない。みちわるくて、やぶがたくさんあってこまる。おまえさんは無神経むしんけい同然どうぜんだからいいが、わたしこまる。」と、かおをしかめて不賛成ふさんせいをとなえだした。
電信柱と妙な男 (新字新仮名) / 小川未明(著)