濫觴はじまり)” の例文
「大賛成だね。じゃ僕はこれから鳩に引導を渡すことにしよう」と勇み立ったが、これがそもそも災難の濫觴はじまりであろうとは。
それまでの日本にはほこはあったが、槍はなかった、槍は九州の菊池党がつかい出したのが濫觴はじまりであるというのである。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが道了塚の濫觴はじまりなのであって、勘兵衛、又兵衛の浪人組どもは、その塚を利用し、強奪して来た財宝を、その穴倉の中へ、隠匿したに過ぎなかった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
落語らくご濫觴らんしやうは、昔時むかし狂歌師きやうかし狂歌きやうかひらきときに、たがひに手をつかねてツクネンと考込かんがへこんでつてはくつします、そこ其合間そのあひまに世の中の雑談ざつだんたがひに語りうて、一うつつたのが濫觴はじまりでござります。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)