潮干しほひ)” の例文
哀れ、御身を落葉とくわんじ給ひて元の枝をば屋島とは見給ひけん、入りにし跡を何處とも知らせぬ濱千鳥、潮干しほひの磯に何を尋ねよとや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
雪吹ふゞきの人をころす事大方右にるゐす。暖地だんちの人花のちるくらべ美賞びしやうする雪吹ふゞきと其ことなること、潮干しほひあそびてたのしむ洪濤つなみおぼれくるしむとのごとし。雪国の難義なんぎ暖地だんちの人おもひはかるべし。
例えば、既出の高市黒人作、「桜田へ鶴鳴きわたる年魚市潟あゆちがた潮干しほひにけらし鶴鳴きわたる」(巻三・二七一)の如きである。つまり「潟をなみ」の第三句が弱いのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
伊勢島や潮干しほひのかたにあさりても言ふかひなきはわが身なりけり
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
さくらたづわたるあゆちがた潮干しほひにけらし。たづわた
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
あぢきなき我や潮干しほひのみをつくし何のしるしか世に残るらん
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
桜田さくらだたづきわたる年魚市潟あゆちがた潮干しほひにけらしたづきわたる 〔巻三・二七一〕 高市黒人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)