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湿気
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しけ
ふりがな文庫
“
湿気
(
しけ
)” の例文
旧字:
濕氣
其手袋を鼻の先へ押当てゝ、
紛
(
ぷん
)
とした
湿気
(
しけ
)
くさい
臭気
(
にほひ
)
を嗅いで見ると、急に
過去
(
すぎさ
)
つた天長節のことが丑松の胸の中に浮んで来る。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
前に青竹の
埒
(
らち
)
を
結廻
(
ゆいまわ
)
して、その筵の上に、大形の古革鞄ただ
一個
(
ひとつ
)
……
眗
(
みまわ
)
しても
視
(
なが
)
めても、
雨上
(
あまあが
)
りの
湿気
(
しけ
)
た
地
(
つち
)
へ、
藁
(
わら
)
の
散
(
ちら
)
ばった
他
(
ほか
)
に何にも無い。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さあ、こんな臭いがして来たからは、たしかにこの部屋が
湿気
(
しけ
)
ているに違いありません」と、僕は言葉をつづけた。
世界怪談名作集:13 上床
(新字新仮名)
/
フランシス・マリオン・クラウフォード
(著)
今は一年中で最も
湿気
(
しけ
)
る季節だから、書庫にはいるには特別の注意を払わねばならない。
愛書癖
(新字新仮名)
/
辰野隆
(著)
ゴチック風の表飾りのある旅館の
湿気
(
しけ
)
た寝台のうへには、滅びた恋の野辺の送りをするために、
屍灰
(
しかい
)
さながらの
味
(
あじわ
)
ひを
互
(
たがい
)
の唇のうへになほも吸ひ合ふ恋人たちの横たはつてゐるのを。
水に沈むロメオとユリヤ
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
▼ もっと見る
指の
尖
(
さき
)
で
触
(
さわ
)
ると、ぬらりとあやしい字が出来る。「こう
湿気
(
しけ
)
てはたまらん」と
眉
(
まゆ
)
をひそめる。女も「じめじめする事」と片手に
袂
(
たもと
)
の先を握って見て、「
香
(
こう
)
でも
焚
(
た
)
きましょか」と立つ。
一夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それでもなお、これご覧、しゃぼんも新聞も、びしょびしょに
湿気
(
しけ
)
てるから……
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「ときに、ゆうべは馬鹿に寒かったようでしたね。もっとも、あんまり寒いのでほうぼう見まわしたら、窓があいていました。寝床へはいる時には、ちっとも気がつかなかったのですが、お蔭で部屋が
湿気
(
しけ
)
てしまいました」
世界怪談名作集:13 上床
(新字新仮名)
/
フランシス・マリオン・クラウフォード
(著)
湿
常用漢字
中学
部首:⽔
12画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“湿気”で始まる語句
湿気払