渡辺わたなべ)” の例文
旧字:渡邊
方壺山人は名字みょうじ渡辺わたなべといい、徳川の時代に木曾福島きそふくしまの名君とうたわれた山村良由りょうゆう公が詩文の師匠と頼んだ人で
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それじゃ、それじゃ。あの伯母御は渡辺わたなべの屋敷へ腕を取返しに来た鬼の伯母よりも怖ろしい。面を
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
東京大学の渡辺わたなべ教授はこれを評して「まさしく政府の権力をもってする社会主義の実行である」と言っておられるが(同氏著『欧州戦争とドイツの食料政策』九八ページ)
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
このほか平等院、北の院などの強僧も加わり、武士には渡辺わたなべはぶく、播磨の次郎じろうさずくきおう滝口たきぐちなどその勢合せて千五百余人、眉宇に決意を秘めて三井寺を出発したのであった。
その我が国で渡辺わたなべ博士らによって、さらに精密になされた測定では、その波長は6438.4682Åと出ているし、英国の他の測定では6438.4708Åとなっている。
地球の円い話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
渡辺わたなべ様から盗み出した古島雛の真物も、隠さずにこれへ出せといってるんだよ」
栗原くりはら滑川なめかわ土居金八どいきんぱち、それから渡辺わたなべ頑太郎がんたろうも呼んでやれ」
松林蝙也 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
つなのおばが、摂津せっつくに渡辺わたなべからわざわざたずねてました。」
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
もはや躊躇ちゅうちょすべき時でないと見た御隠居は、成瀬正肥なるせまさみつ田宮如雲たみやじょうんらと協議し、岩倉公の意見をもきいた上で、名古屋城に帰って、その日に年寄渡辺わたなべ新左衛門、城代格榊原勘解由さかきばらかげゆ
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)