油旱あぶらでり)” の例文
見送みおくるとちいさくなつて、一大山おほやま背後うしろへかくれたとおもふと、油旱あぶらでりけるやうなそらに、やまいたゞきから、すく/\とくもた、たきおとしづまるばかり殷々ゐん/\としてらいひゞき
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その大切な乳をかくす古手拭は、はだに合った綺麗好きで、腰のも一所に、ただ洗いただ洗いするんですから、油旱あぶらでりの炎熱で、銀粉のようににじむ汗に、ちらちらとしゃのようになびきました。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)