河北かほく)” の例文
それがまた片目の魚を、おそれて普通の食べ物にしなかったもとの理由であったろうと思います。(明治神社誌料。石川県河北かほく郡高松村横山)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「ここからわずか数十里、東渓村とうけいそん名主なぬしをしている晁蓋ちょうがいだが、これは山東河北かほくきッての人物とわしは平常、ておるが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諸将これをあやぶみてものいえども、王かず。いで蕭県しょうけんを略し、淮河わいかの守兵を破る。四月平安小河しょうかに営し、燕兵河北かほくる。総兵そうへい何福かふく奮撃して、燕将陳文ちんぶんり、平安勇戦して燕将王真おうしんを囲む。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「姉が金陵を厭がりますから、河北かほくに移って往くところです」
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼はつねに帽の鬂傍びんぼうに何か花をす習慣を身につけていたので河北かほくの人は彼を、一枝花いっしか蔡慶さいけいとも呼びならわしていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マスズメ 石川県河北かほく・石川等
そこで、袁術が、起死回生の一策として、思いついたのが、河北かほくの兄袁紹えんしょうへ、持て余した帝号と、伝国の玉璽を押しつけて、いよいよ身を守ることだった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ボウズ 加賀河北かほく
山東さんとう河北かほくの旅商人が取引にあつまる市場、駅路うまやじに隣接しているので、俗に、妓家ぎか千軒、旅籠はたご百軒といわれ、両替屋りょうがえやだけでさえ二、三十軒もかぞえられる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白馬はくばとは、河北かほく河南かなんの国境にあたる平野をいう。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)