檀林だんりん)” の例文
その句の巧妙にして斧鑿ふさくの痕を留めず、かつ和歌もしくは檀林だんりん支麦しばくの如き没趣味の作を為さざる処、また以てその技倆をうかがふに足る。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
宝蔵院が日蓮宗の檀林だんりんであるということはかつて、武蔵も聞かない話であるから、これはやはり宝蔵院とは全く別な寺院に違いない——
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
参籠所から位牌堂いはいどう、位牌堂から経堂きょうどう中堂ちゅうどう、つづいて西谷にしだに檀林だんりん、そこから北へ芬陀梨峯ふんだりみねへ飛んで奥の院、奥の院から御供寮ごくりょう、それから大神宮に東照宮三光堂と
正風しょうふうとか、檀林だんりんとかいうまでもなく、一種の俳諧味を多量に持った道づれの旅人と見ればそれでよろしい。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
弘経寺という寺は結城と飯沼との両処にあってともに浄土宗関東十八檀林だんりんに列せられている。飯沼の弘経寺は元禄げんろく十三年祐天上人ゆうてんしょうにんが住職の時かさね怨霊おんりょうを化脱させたというので世に知られている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
されどこの句は檀林だんりんの開祖宗因の作にして、一句の目当めあては趣にあらず、かへつて言葉の上の口あひにあること檀林の特色なり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
芭蕉あらたに俳句界を開きしよりここに二百年、その間出づる所の俳人少からず。あるいは芭蕉を祖述し、あるいは檀林だんりんを主張し、あるいは別に門戸を開く。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
芭蕉ばしょう新たに俳句界を開きしよりここに二百年、その間づるところの俳人少からず。あるいは芭蕉を祖述し、あるいは檀林だんりんを主張し、あるいは別に門戸を開く。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
一、俳句に貞徳ていとく風あり、檀林だんりん風あり、芭蕉ばしょう風あり、其角きかく風あり、美濃みの風あり、伊丹いたみ風あり、蕪村ぶそん風あり、暁台きょうたい風あり、一茶いっさ風あり、乙二おつに風あり、蒼虬そうきゅう風あり、しかれどもこれ歴史上の結果なり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)