づち)” の例文
この木造の大づちは建築かくひ打ちでもなければ滅多に使ふものでなく、少し泥などの附いたまゝ、納戸にあるのは、甚しい不調和です。
堀は、そういうあいづちのうち方におだやかならぬものを感じた。実際そうだ——と云わせねばならぬ欲望に駆られた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
「いつだったか、そう云ったことがあるんだよ。ひどく熱心に人形芝居を讃美するもんだから、つい老人を喜ばすつもりで合いづちを打ってしまったんだ」
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
エヽそんならコウ鐵槌かなづちがあらばつてしねえ。女「オホホ、かなさいこづちことかいな、ソレなんちふさんすのぢやいな。「イヤあの箱枕はこまくら此柱このはしらへうちつけてちながらるつもりだ。 ...
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
半分ひとりごとのように云ったのが、お久には聞えた筈だけれど、誰も合いづちを打つ者もない。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)