柳北りゅうほく)” の例文
柳橋やなぎばしに柳なきは既に柳北りゅうほく先生『柳橋新誌りゅうきょうしんし』に「橋以柳為名而不一株之柳はしやなぎもっすに、一株いっしゅやなぎえず〕」
成島稼堂の死後その子柳北りゅうほくはじめ晴潭について詩を学んだようである。晴潭が生死の年月はいずれの書にも記載せられていない。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
劇壇において芝翫しかん彦三郎ひこさぶろう田之助たのすけの名を挙げ得ると共に文学には黙阿弥もくあみ魯文ろぶん柳北りゅうほくの如き才人が現れ、画界には暁斎ぎょうさい芳年よしとしの名がとどろき渡った。境川さかいがわ陣幕じんまくの如き相撲すもうはそのには一人もない。
銀座 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それまでは十一の大区に分たれていたのである。私は柳北りゅうほくの随筆、芳幾よしいく錦絵にしきえ清親きよちかの名所絵、これに東京絵図を合せ照してしばしば明治初年の渾沌こんとんたる新時代の感覚に触るる事を楽しみとする。