“本資(もとで)” の例文
凌(しの)ぎつゝ親子が涙の乾(かわ)く間もなく僅(わづ)かの本資(もとで)に水菓子(みづぐわし)や一本菓子など并(なら)べ置(おき)小商(こあきな)ひの其の隙(ひま)にはそゝぎ洗濯(せんたく)賃仕事(ちんしごと)氷(こほ)る油(あぶら)の燈(あか)りを掻立(かきたて)つゝ漸々(やう/\)にして取續き女心の一ト筋(すぢ)に神佛(かみほとけ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
百両の利を得るには千両の本資(もとで)なくては叶わず。ただし七百の本資にて七百を得るは易く千両の本資にて百両を得るは難しという。これを武家の禄に比するに、百両は三百石に準ず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
これその日稼(かせぎ)の軽き商人の産なり。ただこれはなお本資(もとで)を持ちし身上なり。これ程の本資もたぬ者は人に借る。暁烏(あけがらす)の声きくより棲烏(とまりがらす)の声きくまでを期とす。利息は百文に二文とかいう。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)