うれ)” の例文
街を走る吹聽人はいふも更なり、今咲き出づる「アネモオネ」の花、高く聳ゆる松のうれより空飛ぶ雲にいたるまで、皆我を祝する如し。
この歌と一しょに、「うちなびく春立ちぬらし吾が門の柳のうれに鶯鳴きつ」(巻十・一八一九)があるが、平凡で取れない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
また、「うち靡く春さり来れば小竹しぬうれ尾羽をはうちりて鶯鳴くも」(同・一八三〇)というのもあり、これも鶯の行為をこまかく云っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「道のべのうまらうれほ豆のからまる君をはかれか行かむ」(同・四三五二)も同じような場面だが、この豆蔓まめづるの方は間接に序詞を使って技巧的であるが、それでも
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)