有名なうて)” の例文
……関係つながりがあるのではあるまいかな? ……いよいよ此奴こやつは逃がせねえ。うむそうだ踏み込んでやろう。有名なうて悪漢わるものであろうとも、たかの知れた盗賊だ。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今、江戸でも有名なうてな仏師の東雲が、百観音の中から五体だけ撰り出して、これを幾金に売るか? というとなると、彼らもちょっと首をひねらねばなりません。
何しろ、有名なうての風来坊、気がむけば、風呂屋からその足で長崎まででも行きかねないやつ。はたして神妙に釣などしているのかどうか、その辺のことさえ、さだかじゃございません。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
当時に有名なうての番匠川越の源太が受け負いて作りなしたる谷中感応寺の、どこに一つ批点を打つべきところあろうはずなく、五十畳敷格天井ごうてんじょうの本堂、橋をあざむく長き廻廊、幾部いくつかの客殿
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
花車重吉という有名なうての角力取が這入っては勘弁ならん、是が七十八十になる水鼻みずっぱなを半分クッたらして腰の曲った水呑百姓が、年に免じて何卒どうぞ堪忍かんにんして下されと頭を下げれば堪忍する事も出来ようが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
隊中有名なうての卑怯者
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
当時に有名なうての番匠川越の源太が受負ひて作りなしたる谷中感応寺の、何処に一つ批点を打つべきところ有らう筈なく、五十畳敷格天井がうてんじやうの本堂、橋をあざむく長き廻廊、幾部いくつかの客殿、大和尚が居室ゐま
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
隊中有名なうての卑怯者
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)