ころ)” の例文
義雄兄はまた幼少のころからもらわれて行ってその母方の家を継いだ。義雄兄の養父——節子から言えば彼女の祖父おじいさんは、岸本が母の実の兄にあたっていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と是れから無理やりに權六の手をって、泥だらけの足のまゝ畳の上へ上げ、段々お千代母子おやこにも詫びまして、百両(此のころだから大したもので)取り出して台に載せ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「だって、おさん、言種いいぐさが言種な上に、図体が気に食わねえや。しらふの時だったから、まだまあそれで済んだがね。掏摸万歳のころ御覧ごろうじろ、えて吉、存命は覚束おぼつかねえ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)