時頼ときより)” の例文
鎌倉のむかし北条時頼ときよりが、夜半に僧兼好けんこうのところへ迎えをやり、二人で語り明かそうというので酒の支度をし、肴がなにもないために、味噌をめ舐め飲んだという。
滝口 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
しかも泰時やすとき時頼ときより等の傑出した人物が相継いで執権となり、鎌倉幕府の全盛時代を現出した。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
一夜時頼ときよりかうけて尚ほ眠りもせず、意中の幻影まぼろしを追ひながら、爲す事もなく茫然として机にり居しが、越し方、行末の事、はしなく胸に浮び、今の我身の有樣に引きくらべて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
二十日正月までにこしらえる事に相成ったが、の國綱は存じてるであろうが、鬼丸同作であると云うは、北條のもとめによって國綱山城やましろの粟田口より相州そうしゅう山の内にきたり、時頼ときよりの為にきたえたる鬼丸
雪の暮茶の時頼ときよりに句の常世つねよ
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)