アカ)” の例文
古く見れば、宣詞その物が、主神自身の「出自アカし」であり、対象たる精霊の種姓を暴露すると謂つた、内容を持つてゐたものなのだ。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
アカるいところへ連れてきたら泣きやめた児だつた
行乞記:01 (一) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
種姓アカしが呪言としての威力発揮の一つの手段であつたのが、段々分化して種姓明しの口頭文章の内容が、歴史観念を邑々の人の心に栽ゑつける。
語部と叙事詩と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
氣短く思はないで、ナホアカキヨく力強い歌を産み出す迄の、あさましい「ハヽクニ」の姿を見瞻つて、共にあくうざずの叫びを擧げて頂きたい、と願ふのです。
茂吉への返事 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
今は送り火として面影を止めてゐる西京の左右大文字サイウダイモジ・船岡の船・愛宕の鳥居火トリヰビも、等しく幽冥界の注視を惹くといふ点に、高くアカくと二様の工夫を用ゐてゐる訣である。
盆踊りと祭屋台と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……堅磐常磐カキハトキハイハひまつりて、いかし御世に栄えしめまつり、康治元年より始めて、天地日月と共に、照しアカらしましまさむことに、本末モトスヱ傾かず、いかしほこのナカり持ちて
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)