斬殺ざんさつ)” の例文
またサン・バルテルミーにおける虐殺・九月(一七九二年)の斬殺ざんさつ、アヴィニョンにおける殺戮さつりく、コリニーの殺害、ランバル夫人の殺害
ことにその捕縛の当時正胤の二条ころもたなの家で、抵抗と格闘のあまりその場に斬殺ざんさつせられた二人の犠牲者を平田門人の中から出したということが
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
すなわち人の生命を斬殺ざんさつせんがために、もしくは勤労の報酬たる財産をば残滅せんがために用うるの器械をば備うることの願欲と熱望とは必ず烟散霧消するを信ずるなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
遇ったら聞こうと思って居りますと、其の翌晩、蟠龍軒の屋敷に四人の人殺しがあったという評判、只今承われば文治様の仕業だと申す事ですが、全く蟠龍軒の屋敷の者を斬殺ざんさつしましたのは
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
主水兄弟三人は、うつつぜめの末に斬殺ざんさつされ、妻子も極刑に処せられた。
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
のとき柵山南条さくやまなんじょうという二等兵がどうした事か敵前というのに、目に余るほど遺憾いかん振舞ふるまいをしたために、皇軍こうぐんの一角が崩れようとするのでむを得ず、なみだをふるって其の柵山二等兵を斬殺ざんさつしたのです。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
坂本坂の杉並木のところで斬殺ざんさつされてしまったのだ。
無頼は討たず (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
唖の次男を斬殺ざんさつす。
桜桃 (新字新仮名) / 太宰治(著)
己れ飽かんがためには他のを割いて食わざるべからず。己れ淫欲いんよくを逞しゅうせんがためには他の子女もしくは妻をも豪奪せざるべからず。己れが奇怒きどに触るれば他を斬殺ざんさつせざるべからず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)