“斑(はだら)” の例文
丘はまだ斑(はだら)雪で蔽われているのに、それを押しのけるようにして土筆(つくし)が頭をだす。去年(こぞ)の楢の枯葉を手もて払えば、その下には、もう野蒜(のびる)の緑の芽。
葡萄蔓の束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
香の煙のたちこめた大寺(だいじ)の内陣で、金泥(きんでい)も緑青(ろくしょう)も所(ところ)斑(はだら)な、孔雀明王(くじゃくみょおう)の画像を前に、常燈明(じょうとうみょう)の光をたのむ参籠(さんろう)の人々か、さもなくば、四条五条の橋の下で、短夜を芥火(あくたび)の影にぬすむ
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)