“掻(が)” の例文
第二十五 五目(ごもく)飯 と申すのは色々の野菜を入れたものです。先ず牛蒡(ごぼう)をササ掻(が)きにして暫(しばら)く水へ漬けてアクを抜きます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
とはいうものの顧みればわれらの主観のいかに空疎に外界のいかに雑駁なるよ。この中に処して蛆虫(うじむし)のごとく喘ぎも掻(が)くのがわれらである。これをしも悲痛と言おう。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
甕のふちに爪のかかりようがなければいくらも掻(が)いても、あせっても、百年の間身を粉(こ)にしても出られっこない。出られないと分り切っているものを出ようとするのは無理だ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
第四十二 肥前(ひぜん)飯 と申すのは鯛の身を白焼にして細かく捌(さば)きます。別に牛蒡(ごぼう)をササ掻(が)きにして半日ほど水へ漬けて度々(たびたび)水を取かえてアクを出します。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)