推奨すいしょう)” の例文
旧字:推奬
「片言もってごくさだむべきものは、それゆうか」などという孔子の推奨すいしょうの辞までが、大袈裟おおげさ尾鰭おひれをつけてあまねく知れわたっていたのである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
まもなく市民は大会を開いて、十五少年推奨すいしょう盛宴せいえんを張った。そのとき市長ウィルソン氏の演説大要は左のごとくであった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
渡辺さんは長崎カステラを葡萄牙ポルトガルの語源まで引用して推奨すいしょうした。何処へ行っても堂々たる大人が食物の評論に力瘤を入れるのは可笑おかしい現象だ。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
道衍わかきより学を好み詩をたくみにし、高啓こうけいと友としく、宋濂そうれんにも推奨すいしょうされ、逃虚子集とうきょししゅう十巻を世に留めしほどの文才あるものなれば、道衍や筆を執りけん、あるいは又金忠の輩やことばつづりけん
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)