持帰もちかえ)” の例文
旧字:持歸
此処ここで見るならば許して苦しくないが、家に持帰もちかえることは出来ませぬと、その係の者が云う。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
さればとて故郷の平蕪へいぶの村落に病躯びょうく持帰もちかえるのもいとわしかったと見えて、野州やしゅう上州じょうしゅうの山地や温泉地に一日二日あるいは三日五日と、それこそ白雲はくうんの風に漂い、秋葉しゅうようの空にひるがえるが如くに
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
待網を掛けて雑魚ざこを捕りひそかに寺へ持帰もちかえって賞玩しょうがんするのだ、この事檀家だんかの告発にり師の坊も捨置すておきがたく、十分に訓誡くんかいして放逐ほうちくしようと思っていると、当人の方でもあらかじめそのあたりの消息を知り
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)