折曲おりま)” の例文
路傍の車前おおばこくき折曲おりまげて引懸ひっか引張ひっぱり、またはすみれの花の馬の首のようになった部分を交叉こうさして、むしろその首のたやすくもげて落ちるのを、笑い興ずるようになっているが
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
生れ落ちてから畳の上に両足を折曲おりまげて育ったねじれた身体からだにも、当節の流行とあれば、直立した国の人たちの着る洋服も臆面おくめんなく採用しよう。用があれば停電しがちの電車にも乗ろう。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
たいていはの小枝のかぎになったものを折取おりとって、それを両手の間にまわして、あのおかしな文句をとなえるのだが、時としてはかやとかわらとかの一本のくき折曲おりまげてすることもある。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
はしとか紙縒こよりとかのさきを少し折曲おりまげたものを、くるくると両手のてのひらみ廻し、その突端の向いて止った方角の人に、盃を押しつけるという方式がもとはあって、そのはやし文句もよく似ていた。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)