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打捨
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うつちや
ふりがな文庫
“
打捨
(
うつちや
)” の例文
人間といふものは、
打捨
(
うつちや
)
つておくと、
入用
(
いりよう
)
のない、下らない事を多く
記憶
(
おぼ
)
えたがつて、その代りまた
大切
(
だいじ
)
な物事を忘れたがるものなのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
成程
(
なるほど
)
。」と
蘿月
(
らげつ
)
は
頷付
(
うなづ
)
いて、「さういふ事なら
打捨
(
うつちや
)
つても置けまい。もう何年になるかな、
親爺
(
おやぢ
)
が死んでから………。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
私は今に若も彼奴が親方の言葉に甘へて名を列べて塔を建てれば
打捨
(
うつちや
)
つては置けませぬ、
擲
(
たゝ
)
き殺して
狗
(
いぬ
)
に呉れます此様いふやうに擲き殺して、と明徳利の横面
突然
(
いきなり
)
打き飛ばせば
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
みのるの自分の藝に對する正直な心が、自から
打捨
(
うつちや
)
つた作をその儘明るい塲所へ持ち出すといふ樣な人を食つた考へに中々陷らせなかつた。みのるは何時までもその前半を
弄
(
いぢ
)
つてゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
華族と法律とを
拵
(
こしら
)
へる事を情慾のやうに心得てゐる国家が、何故「
音曲
(
おんぎよく
)
」に関する法律だけは
打捨
(
うつちや
)
り
放
(
ぱな
)
しにしてゐるのか
理由
(
わけ
)
が分らない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
世間には三年
打捨
(
うつちや
)
つておいても、髪の毛一本伸びないやうな頭もあるが、記者の髪の毛は不思議によく伸びるので、
始終
(
しよつちゆう
)
理髪床
(
かみゆひどこ
)
の厄介にならなければならぬ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「君が自分で説明したら
可
(
い
)
いぢやないか、君は
何時
(
いつ
)
だつたか、
青銅
(
ブロンズ
)
で馬の
模型
(
モデル
)
を作りかけて鋳上げる事もしないで、
打捨
(
うつちや
)
り
放
(
ぱな
)
しにしたぢやないか、いい
恥晒
(
はぢさら
)
しだね。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
船橋氏は
記念
(
かたみ
)
の『欧山米水』を取り出して、
一寸
(
ちよつと
)
表紙の埃を
弾
(
はた
)
いて読みかけてはみたが、別に軍人を天使のやうに書いてもなかつたので、その儘
打捨
(
うつちや
)
らかして了つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
雷といふのは、多分
雷鼠
(
らいねずみ
)
の事で、
打捨
(
うつちや
)
つておくと、芋の根を
喰
(
く
)
ひ荒して仕方がないさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
捨
常用漢字
小6
部首:⼿
11画
“打捨”で始まる語句
打捨置
打捨置難
打捨難