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打俯
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うちふ
ふりがな文庫
“
打俯
(
うちふ
)” の例文
宮は
傍
(
かたはら
)
に人無しと思へば、限知られぬ涙に
掻昏
(
かきく
)
れて、熱海の浜に
打俯
(
うちふ
)
したりし
悲歎
(
なげき
)
の足らざるをここに
続
(
つ
)
がんとすなるべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
おずおずその袂を
曳
(
ひ
)
きて、
惻隠
(
そくいん
)
の
情
(
こころ
)
を動かさむとせり。
打俯
(
うちふ
)
したりし
婦人
(
おんな
)
は
蒼白
(
あおじろ
)
き顔をわずかに
擡
(
もた
)
げて
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貫一は
異
(
あやし
)
みつつも息を潜めて、
猶
(
なほ
)
彼の
為
(
せ
)
んやうを見んとしたり。宮は
少時
(
しばし
)
ありて火燵に入りけるが、
遂
(
つひ
)
に
櫓
(
やぐら
)
に
打俯
(
うちふ
)
しぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
宮はその人の
遁
(
のが
)
れ去りしこそ
頼
(
たのみ
)
の綱は切られしなれと、はや留るべき望も無く、まして立帰るべき力は有らで、罪の
報
(
むくい
)
は悲くも何時まで
儚
(
はかな
)
きこの身ならんと、
打俯
(
うちふ
)
し、打仰ぎて、
太息
(
ためいき
)
呴
(
つ
)
くのみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
俯
漢検1級
部首:⼈
10画
“打”で始まる語句
打
打擲
打棄
打捨
打殺
打倒
打明
打付
打笑
打毀