打付ぶっつ)” の例文
□「浪除杭なみよけぐい打付ぶっつかった溺死人どざえもんは娘の土左衛門で小紋の紋付を着て紫繻子の腹合せの帯を締めて居る、い女だがこも船子ふなこが掛けてやった」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
れから徳川親藩の越前家と云うような大名か又はその家来が道中をして居る処に打付ぶっつかろうものならソリャたまらない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
乃公は実際学校が可厭いやになった。斯ういう処に長居をすると碌な事を覚えない。善ちゃんは紙を丸めて人の頭に打付ぶっつけて知らん顔をしている法を教えてくれた。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
おれ彼処あすこに寝て居るとおめえ、裏の方の竹を打付ぶっつけた窓がある、彼処のお前雨戸を明けて、何うして這入へえったかと見ると、お前の処の姉御、お累さんが赤ん坊を抱いて、ずぶ濡れで
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もらい見たようなものでござると打付ぶっつけた所が、家老も仕方しかたがない、そのけは
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
殊に我々仲間で申しあげるおはなしの年月、口唇くちびるがべろ/\と動き、上腮うわあごと下腮が打付ぶっつかりますうちに二十年は直ぐ、三十年は一口に飛ぶというような訳、考えてみますれば呑気至極でげすがな
其の頃は商人あきんどは皆雪駄を穿いて居りまして、どじょうの鼻緒のくだりの雪駄で駈けて来まして、前へのめる途端に八右衞門の肋骨あばらぼねの男が頭を打付ぶっつけましたから、八右衞門は驚いたのなんのと申しまして
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
場内取締の顔を見るも腹がたって堪らない、そうかと云って打付ぶっつけて愚痴をこぼすことも出来ないので、よんどころなく次の横浜き九時十分まで待たねばなりません、待っているのは仕方がないとしても