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戌刻
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いつつ
ふりがな文庫
“
戌刻
(
いつつ
)” の例文
藤枝蔵人老人が三河屋を出たのは、それから
一刻
(
いっとき
)
(二時間)も後——ツイ二三町の自分の家へ帰ったのは、
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)過ぎ——。
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一応
諮
(
たず
)
ねてみましたが、店の大戸を閉めたのは
戌刻
(
いつつ
)
(八時)、それから誰も出なかったという言葉に間違いがあろうと思われません。
銭形平次捕物控:061 雪の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ところが、不思議なことに
戌刻
(
いつつ
)
(八時)少し前に持って行くと、お舟も和助も——二人とも居なかったというじゃありませんか」
銭形平次捕物控:097 許嫁の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
かけさせて、小銭がないから今晩
戌刻
(
いつつ
)
(八時)の鐘が鳴ったら、
筋違見附
(
すじかいみつけ
)
の側まで、簪を持って金を受取りに来てくれと言った——
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
義理一ぺんの客が帰って、親しい人達だけ残ったのは
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)過ぎ、これからまた盃を改めて、夜と共に騒ごうという時
銭形平次捕物控:125 青い帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「
戌刻
(
いつつ
)
には潜りの大
海老錠
(
えびじょう
)
をおろします。それから先は私が開けにかからなければ、外からは入れないことになって居ります」
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜
酉刻
(
むつ
)
(六時)から
戌刻
(
いつつ
)
(八時)までの間、御門の締る前後、詳しく言えば御蔵の戸前に錠をおろす前後の、ほんのちょっとした
隙
(
すき
)
にやられた。
銭形平次捕物控:096 忍術指南
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ヘエ——、金の勘定などを奉公人は見るものじゃないって叱られます。
戌刻
(
いつつ
)
半(午後九時)から先は旦那の部屋へ行かないことにしているんです」
銭形平次捕物控:046 双生児の呪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
今考えてみると、それも私を狙う者の細工だったかも知れませんが、とにかく、身体が明いてホッとしたのは、
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)過ぎじゃございませんか
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「梶さんがお出かけになったのは
戌刻
(
いつつ
)
(午後八時)少し過ぎ、お嬢さんがお出かけになったのは、それからまた
四半刻
(
しはんとき
)
(三十分)も後でございました」
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お吉さんが引揚げたのは
戌刻
(
いつつ
)
(八時)頃で、番頭さんはそれから間もなく引揚げました。雪の降り出す前で——」
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
先刻
(
さっき
)
は、よくも俺を
騙
(
だま
)
したな、昨夜
酉刻
(
むつ
)
半(七時)過ぎから
戌刻
(
いつつ
)
過ぎまで、この家に二人とも居なかったはずだ」
銭形平次捕物控:097 許嫁の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「家を出たのは
戌刻
(
いつつ
)
(八時)頃、近いところですからブラブラ行って、
亥刻
(
よつ
)
(十時)ぎりぎりに帰って参りました」
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ヘエ、——お町は
戌刻
(
いつつ
)
(八時)少し前に殺されたって話ですから、その時分私は町内の銭湯へ行っていましたよ」
銭形平次捕物控:020 朱塗の筐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
銭形の平次が竪川の材木置場に駆け付けたのは、
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)そこそこ、思いの外の成績ですが、それでも、ガラッ八よりは四半刻近くも遅れました。
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その晩平次が帰ったのは
戌刻
(
いつつ
)
(八時)過ぎ、珍しく一合付けさして、陶然としながら、こんな事を言いました。
銭形平次捕物控:019 永楽銭の謎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
店が閉ってから、大抵
戌刻
(
いつつ
)
半から
亥刻
(
よつ
)
(十時)の間だそうです。曲者は家の中に決っているから、離屋に居る寺本山平は勘定に及ばないじゃありませんか。
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)ごろ小台の方から堤の上に
提灯
(
ちょうちん
)
が六つ出て、そいつが行儀よく
千住
(
せんじゅ
)
の方へ土手を練ったんで、川向うの
尾久
(
おぐ
)
は祭のような騒ぎだったそうですよ
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう
戌刻
(
いつつ
)
(八時)過ぎ、夕方から吹き始めた名物の
空
(
から
)
っ
風
(
かぜ
)
に、頬も鼻も、千切れて飛びそうな寒さですが、平次の探求心はかえって火のごとく燃えさかります。
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「昨夜は風呂が立たなかったので、町風呂へ行ったようでございました。小半刻経って、
戌刻
(
いつつ
)
(八時)過ぎになってから、いい心持に
茹
(
うだ
)
って帰って来ましたが」
銭形平次捕物控:072 買った遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「悪くなったわけじゃないが、呼びもしないのに閑斎が来て、
戌刻
(
いつつ
)
過ぎまで無駄話をしていたそうですよ」
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「宵のうちのことはわかりません、お勝手で仕事をしてますから。——
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)から先は、金五郎親方と岩吉さんの外には誰も入って来なかったようです」
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
フラリと柳原土手を帰って来たのは
戌刻
(
いつつ
)
(八時)過ぎ、人通りのハタと絶えたところへ来ると、いきなり闇の中から飛出して、ドカンと突き当ったものがあります。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
といったような取りなし、これは馴れ合いずくですから、平次も遠慮するようなしないような、ズルズルベッタリ
盃
(
さかずき
)
を
嘗
(
な
)
めていると、やがて
戌刻
(
いつつ
)
(八時)という頃。
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜の
戌刻
(
いつつ
)
(八時)過ぎ、私は二階の私達の部屋で、
箪笥
(
たんす
)
の中などを片付けてをりました。三日前の花見衣裳が、乾したまんまで、まだよく片付いて居なかつたんです。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その晩の
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)頃、この一行は回向院の寺内に入り、そこでお通夜が営まれたのです。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
下げてブラリと出たのは、店が閉ってから——
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)自分でございました。清六どんは恐ろしい湯好きで、内風呂の立たない晩は、かならず町内の
巴
(
ともえ
)
風呂へ参ります
銭形平次捕物控:149 遺言状
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
父
(
とっ
)
さんはどこへも出はしません。
戌刻
(
いつつ
)
半(午後九時)頃までお店に居て、それから休みました。奉公人が五人も居りますから、誰にも知れないようには外へ出られません」
銭形平次捕物控:050 碁敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのうち一番先に
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)頃伝吉の家の灯が点いて、間もなく周助が帰って来た、周助が帰って四半刻(三十分)もすると、寝てしまった様子で周助の家の灯が消え
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの晩宇八は、
酉刻
(
むつ
)
半(七時)に芝口二丁目の棟梁喜之助の家を出て、
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)過ぎに宇田川町の相模屋へ行くまで、ざっと一刻の間の足取りがわからなかった筈だ。
銭形平次捕物控:227 怪盗系図
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それからいろいろの手順を運んで、神田の平次のところへ帰ったのは夜の
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)頃。
銭形平次捕物控:121 土への愛着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「え、
戌刻
(
いつつ
)
(八時)前に、空模様が悪くなったんで、つづけざまに揚げきったようですよ」
銭形平次捕物控:125 青い帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「言いましたよ、——銭形の親分に約束したが時刻もちょうど
戌刻
(
いつつ
)
(八時)だ、——って」
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
酉刻
(
むつ
)
半(七時)——いや
戌刻
(
いつつ
)
(八時)近かったかな。小僧の三吉がよく知っているよ」
銭形平次捕物控:149 遺言状
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「どうだい八兄哥、これじゃ昨夜
戌刻
(
いつつ
)
から
亥刻
(
よつ
)
(八時から十時)までこの家に居た者で、人の頸へ正面から三寸も出刃を突き立てる力のある者が怪しいということになるだろう」
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あっしは早寝で、
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)には床の中へ
潜
(
もぐ
)
り込んだくらいですから、うとうとしていて、よくは知りませんが、お祭りの笛だか、口笛だか、聞いたような気がしますよ」
銭形平次捕物控:079 十七の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「驚いたことに、昨夜、お才が殺された
戌刻
(
いつつ
)
(八時)時分に、たしかに下手人でないといふあかしを立てられるのは、主人の八郎兵衞と、掛り人のお谷のたつた二人だけですよ」
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラッ八の八五郎が神田へ帰ったのは、やがて
戌刻
(
いつつ
)
半(午後九時)とも思う頃でした。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「三軒目の宇田川町の呉服屋——相模屋清兵衛のところへ行ったのは
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)」
銭形平次捕物控:227 怪盗系図
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「車坂の桔梗屋へ参りました。夕方までに帰るつもりでしたが、無理に引止められて、晩の御馳走になりましたので、家へ帰ったのは、
戌刻
(
いつつ
)
(八時)少し前でございましたか——」
銭形平次捕物控:039 赤い痣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
半日八方に飛び廻つた八五郎は、平次のところで腹を拵へて、
戌刻
(
いつつ
)
(八時)過ぎになつて
漸
(
ようや
)
く向柳原の自分の巣、——仕立物をして、細々と暮してゐる叔母の家へ歸つて來ました。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
東両国の明石一座の軽業小屋に着いたのは、もう
戌刻
(
いつつ
)
(八時)過ぎだったでしょうか。
銭形平次捕物控:227 怪盗系図
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう
戌刻
(
いつつ
)
半(九時)過ぎでしょうが、しもたや造りながら、店構えの大きい丸屋は、火の消えたような静寂のうちに、何となく不気味を押し
潰
(
つぶ
)
したようなザワめきを
孕
(
はら
)
んでおります。
銭形平次捕物控:070 二本の脇差
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お前は昨夜外へ出なかつたのか。——
戌刻
(
いつつ
)
(八時)から
子刻
(
こゝのつ
)
(十二時)の間——」
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
慣れた旅支度と言っても夕景まで手一杯に急いで、小日向の安城邸に駈け付けたのはもう
戌刻
(
いつつ
)
(八時)少し前、夏の日もすっかり暮れ切って、忍びの旅立ちには
丁度
(
ちょうど
)
宜い頃合でした。
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラッ八とお篠が、湯島の山名屋へ行ったのはその晩の
戌刻
(
いつつ
)
(八時)過ぎでした。
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女房の初七日も済まないが——とさいしょは気の乗らない様子でしたが、根がお好きなので、いつの間にやら夢中になってしまい、
戌刻
(
いつつ
)
(八時)過ぎには、お酒を出させて、お二人で碁を
銭形平次捕物控:277 和蘭の銀貨
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「まだ宵のうち、
戌刻
(
いつつ
)
(八時)そこそこでございました。この節は物騒だから、女の夜歩きは
止
(
よ
)
せと申しておりましたが、私に隠れるように、いつの間にやら見えなくなってしまいました」
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「帰ったのは
亥刻
(
よつ
)
少し前、——どんな手品を使ったって、お駒を殺せるわけはねえ。継母のお仙は、
戌刻
(
いつつ
)
(午後八時)に出かけて、
亥刻
(
よつ
)
に帰った時は、お駒は間違いもなく死んでいたんだ」
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
戌刻
(
いつつ
)
(八時)過ぎに、たった一人でここへやって来たよ——もっとも、お由良には言わないが、誰か
跟
(
つ
)
いて来て外で見張っているようだったが、——俺のところへ来たのは初めてじゃない。
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
戌
漢検1級
部首:⼽
6画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
“戌刻”で始まる語句
戌刻半
戌刻過
戌刻頃
戌刻前