なだ)” の例文
何でもこの野郎を打殺うちころして仕舞しまえ。理屈を云わずに打殺して仕舞えと私が怒鳴る。松下はなだめるようなふうをして、「マア殺さぬでもいじゃないか。 ...
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
いろいろなだめたりすかしたりしていたが、それから何日たっても、あの方からは音信おとずれさえもなかった。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「もう止して下さいな、折角子供が寝たところなんだから……」と、周子はなだめるやうに云つた。——彼は、無気になつて威張つたわけではなかつた。周子を、ごまかしたのだ。
「悪」の同意語 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
真佐子は、口を抑へる様にして何か言つてなだめてゐた。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
すがり付くを孝助はなだめ、善藏に送られ出立しました。
と、智恵子は横合からしきりなだめる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)