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惣門
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そうもん
ふりがな文庫
“
惣門
(
そうもん
)” の例文
寺の門は
宛
(
さなが
)
ら西洋管絃楽の
序曲
(
プレリュード
)
の如きものである。最初に
惣門
(
そうもん
)
ありその次に
中門
(
ちゅうもん
)
あり然る後幽邃なる境内あってここに始めて本堂が建てられるのである。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
着し座す其
形勢
(
ありさま
)
いと
嚴重
(
げんぢう
)
にして先本堂には
紫縮緬
(
むらさきちりめん
)
に
白
(
しろ
)
く十六の
菊
(
きく
)
を
染出
(
そめいだ
)
せし
幕
(
まく
)
を張り渡し表門には
木綿地
(
もめんぢ
)
に白と
紺
(
こん
)
との三
筋
(
すぢ
)
を染出したる幕を
張
(
はり
)
惣門
(
そうもん
)
の内には
箱番所
(
はこばんしよ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二十九日の夜以来、本能寺の
惣門
(
そうもん
)
は、
車駕輻輳
(
しゃがふくそう
)
して、出入りの諸人の
雑鬧
(
ざっとう
)
は驚くべきものであった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
古びた
惣門
(
そうもん
)
を
潜
(
くぐ
)
って登る石段の両側に茶の木の美しく刈込まれたるに
辛
(
から
)
くも昔を忍ぶのみ。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これを正反対の
惣門
(
そうもん
)
の方から望むと、あだかもその煙は、すでに裏門を突破した味方が、
庫裡
(
くり
)
へ火を
放
(
つ
)
け始めたかのように思われた。で、正門の前へ雲集した第一軍の主力は
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
さっき濠ばたの角では、大勢の見物の中に交じって
佇
(
たたず
)
み、尿小路の子やばてれん達が去ると、またぶらぶら濠のふちに沿って、
惣門
(
そうもん
)
の方へあるいて来た
彼
(
か
)
の二人の町人であった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私は市中の寺院や神社をたずね歩いて最も
幽邃
(
ゆうすい
)
の感を与えられるのは、境内に
進入
(
すすみい
)
って近く本堂の建築を打仰ぐよりも、路傍に立つ
惣門
(
そうもん
)
を
潜
(
くぐ
)
り、
彼方
(
かなた
)
なる境内の樹木と本堂鐘楼
等
(
とう
)
の屋根を背景にして
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
あの
総見寺
(
そうけんじ
)
山の広い石段道や大手の
惣門
(
そうもん
)
から奥へかけて、こんなにも
芋
(
いも
)
を洗うような混雑を呈したとは、信長の威光というか人気というか、人心の流れ方というものの怖ろしさをさえ考えさせる。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
惣
漢検準1級
部首:⼼
12画
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
“惣門”で始まる語句
惣門内